Raspberry Piを6台買って分かった
最初の1台の選び方
スペックの比べっこではなく、「買ったあとどうなったか」の話です
この記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。紹介しているものは、いずれも私が実際に使っているか、選ぶときに検討したものです。
そもそもラズパイって何なのか
Raspberry Pi(ラズベリーパイ、略して「ラズパイ」)は、手のひらに乗るくらい小さなコンピュータです。名刺より少し小さいくらいの基板に、パソコンと同じような部品が載っています。
モニタとキーボードをつなげば、簡単なパソコンとして使えます。それだけならわざわざ買う意味は薄いのですが、ラズパイには「基板から直接、電子部品をつなげる」という特徴があります。LEDを光らせたり、温度を測ったり、モーターを動かしたり。「パソコンでは届かないところに手が出せる」のが面白いところです。
とはいえ、いざ買おうとすると種類がたくさんあって迷います。私も迷いました。
「高いほうを買って、持て余さないだろうか」
「安いほうを買って、あとで後悔しないだろうか」
この記事は、その迷いに何か言えないかと思って書きました。スペックを並べて比べるのではなく、私が実際に何台も買ってみて、そのうち何台が今も動いているかという、身も蓋もない話です。
先に結論を書いておきます
先に、機種の話ではないことをひとつだけ。
何でもいいので、まず1台。新しくても古くても、大きくても小さくても構いません。手元に置いて動かしてみると、思っていたより面白いです。この記事でいちばん言いたいのは、そこです。
そのうえで「では、どれを買うか」で迷っているなら、ここから先が材料になると思います。
入門記事の多くは「初心者なら安いモデルで十分」と書いています。私もそう思って買いました。そして、そうはならなかったというのが、この記事の中身です。
もちろん私一人の経験なので、これが正解だとは言いません。「こういう人もいる」くらいに読んでもらえたらと思っています。
私が買ったもの、そして今どうなっているか
まず事実だけ書きます。これがこの記事のほぼすべてです。
| 買った順 | 台数 | 今どうなっているか |
|---|---|---|
| Raspberry Pi 3 | 2台 | Pi 4を買ってから、電源を入れていません |
| Raspberry Pi Zero | 1台 | 使い道を決めきれないまま止まっています |
| Raspberry Pi Zero 2 W | 1台 | 小さい用途向けに置いてありますが、普段使いではありません |
| Raspberry Pi 4 | 1台 | Pi 5を買ってから、電源を入れていません |
| Raspberry Pi 5 | 1台 | いま使っているのはこれだけです |
ぜんぶで6台買って、今日も動いているのは1台です。
しかも、使わなくなった理由が「壊れたから」ではありません。どれも電源を入れれば普通に動きます。それでも棚に戻ってしまいました。
買った直後に「買ってみました!」と書く記事はたくさんあります。でも「その1台が半年後どうなっていたか」を書いた記事は、あまり見かけません。買った時点で記事が終わってしまうからだと思います。
「安いから2台買った」話
Pi 3を2台買った理由を白状します。
「テレビ電話みたいなものが作れたらいいなぁ」という、ぼんやりした思いつきでした。テレビ電話には送る側と受ける側が要るから2台。理屈は通っています。そして当時は値段も安かった。
作りませんでした。そして2台とも、Pi 4を買ってから一度も電源を入れていません。
これは私がだらしなかった、という話でもある気はします。でも、それだけでもない気がしています。
ぼんやりした構想のまま機材だけ先に買うと、構想のほうが実行されないまま、機材だけが残ります。「安いから、とりあえず2台」というのは、それが一番起きやすい買い方かもしれません。
もし今「2台あると何かできそうだな」と思っているなら、その「何か」を口に出して言えるかだけ確かめてみてください。言えないようなら、まず1台でいいと思います。必要になってから、そのとき買い足せばいいので。
なぜ前のものを使わなくなったのか
では、なぜ使わなくなったのか。
実を言うと、速さに不満があったわけではないんです。Pi 3もPi 4もPi 5も、正直そこまで速さの違いを期待していませんでした。
それなのに、前のものは棚に戻っていきました。なぜだろうと考えてみると、思い当たることが二つありました。
新しいものには、新しい装備が付いてくる
新しい機種が出ると、速くなるだけではなくて、「できること」そのものが増えます。しかも、増えるだけでなく差込口の形まで変わります。
まずPi 3からPi 4になったとき。ここは変化がけっこう大きかったところです。
- 電源の差込口の形が変わりました。小さい四角い口から、いまのスマホでよく見る楕円形の口(USB Type-C)になりました
- 画面をつなぐ端子も変わりました。普通のHDMIの口が1つだったのが、小さいタイプの口が2つに。モニタを2台つなげるようになっています
- USBの口のうち2つが、速いタイプになりました。青い色をしているのがそれです
- 有線LANが本気の速さになりました。Pi 3にも同じ端子は付いていたのですが、内部のつなぎ方の都合で、本来の速さが出せていませんでした
- メモリの量を選べるようになりました。Pi 3は1GBで固定です
ここで意外と困るのが、差込口の形が変わったことです。前の機種で使っていた電源ケーブルも、画面をつなぐケーブルも、そのままでは挿さりません。
ケースも使い回せません。穴の位置が合わないからです。「本体だけ買い替えればいいや」と思っていると、周りのものまで買い直しになります。
そしてPi 4からPi 5になったとき。こちらでも、いくつか増えました。
- SSDをつなげる差込口。パソコンで使われている速い記録装置を、そのまま繋げるようになりました
- 電源ボタン。それまではケーブルを抜き差しして電源を切っていました。ボタンが付いたのはPi 5が初めてです
- 時計。ボタン電池をつなげば、電源を切っても時刻を覚えていてくれます
私はまさにこれで戻れなくなりました。いまはPi 5をSSDで動かしています。そしてこれは、Pi 4では物理的にできません。差込口が無いからです。
戻れなくなったのは、速さではなく「できること」のほうでした。
速さの差なら「まあ遅いけど我慢しよう」で済みます。でもそもそも差込口が無いと、我慢のしようがありません。
新しいOSが出ると、古いものは重くなる
もうひとつは、OSの入れ替わりです。
OSというのは、ラズパイを動かすための基本のソフトのことです。パソコンでいえばWindowsにあたります。ラズパイにも専用のものがあって、数年おきに新しい版が出ます。
面白いもので、新しい機種と新しいOSは、だいたい同じ時期に出てきます。Pi 5が世に出たのは2023年の10月で、新しいOSが出たのも、その同じ月でした。
ここでWindowsを思い出してみてください。新しいWindowsが出て、少し古いパソコンに入れてみると、なんとなく動きが重い。あれと同じことが、ラズパイでも起きます。
そして厄介なのは、「古いOSのまま使い続ける」という逃げ道が、だんだん塞がっていくことです。
- ひとつ前のOSは、そもそもPi 5では動きません
- そのひとつ前のOS自体も、2026年8月でサポートが終わってしまいました
装備の話は買った瞬間に決まりますが、OSの話は時間が経つほどじわじわ効いてきます。買ったときは快適でも、OSが新しくなるたびに少しずつ重くなって、そのうち古いOSに留まることもできなくなる、という感じです。
安く買ったほうが、かえって高くつくことも
この二つを合わせると、値段の見方が少し変わってきます。
本体の値段だけを見て「安いほうがお得」と考えると、たぶん外します。安く買っても早く使わなくなれば、1年あたりで考えたときの値段は、かえって高くつくからです。
私はPi 3を2台買って、どちらも数年で棚に戻しました。安かったはずなのに、振り返ると一番もったいない買い物だった気がしています。
では、なぜ私はまだ続けているのか
ここまで「使わなくなった」話ばかり書いてきたので、そろそろ白状しておきます。
私の始まりは、ラズパイではありませんでした。
最初に買ったのは「Arduino」という別の機械です。しかも、何かを作りたくて買ったわけではありません。本当に何も知らないままキットを買って、説明書のとおりにセンサーをつないで遊んでいただけです。自分で考えて作ったものは、ひとつもありませんでした。
※「Arduino」は「アルドゥイーノ」と読みます。
そのうち、だんだん面倒になってきました。
Arduinoは、プログラムを書き換えるたびにパソコンとつなぐ必要があります。最初は気になりませんでしたが、繰り返しているうちに、この「いちいちつなぐ」が煩わしくなってきました。
それで「ほかに何かないかな」と探していて、ラズパイを見つけました。
ここが正直なところなのですが——私がはまったのは、何かを作れたからではありません。
SSHが使えたこと。そして、OSを自分で入れられること。
この2つだけで、もう楽しかったんです。
離れたところから中に入って、そのまま書き換えられる。パソコンにつなぎ直さなくていい。それだけのことなのですが、「これは面白いぞ」と思いました。
いまも続いているのは、意志が強いからでも、何か目標があるからでもありません。単純に、楽しかったからです。
だから「続かなかったらどうしよう」という心配は、たぶん半分は外れています。
私はArduinoを使わなくなりました。でもそれは、続かなかったからではありません。もっと面白そうなほうへ移っただけです。そして今は、乗り換えてよかったと思っています。
棚に戻った機械は、失敗の記録に見えるかもしれません。でも私にとっては、そのときどきで面白いほうへ動いた記録でもあります。
2026年のいまは、ちょっと事情が違います
ここまで「新しいものを買いましょう」と書いてきましたが、2026年に関しては、それだけで済ませられない事情があります。
ラズパイは、この1年で3回も値上げされました。2025年の12月、2026年の2月、そして2026年の4月です。
原因はメモリの値段です。ラズパイに使われているメモリの価格が、1年で7倍にまで跳ね上がってしまいました。ラズパイの側でどうにかできる話ではありません。
どのくらい上がったのか、実際の値段を出します。2026年8月時点の、国内のお店での税込価格です。
| モデル | いまの値段 | 在庫 |
|---|---|---|
| Raspberry Pi 5(メモリ4GB) | 22,990円 | 売り切れ |
| Raspberry Pi 5(メモリ8GB) | 36,300円 | あり |
8GBのものは、国内で売り始めた2024年2月には15,290円でした。2年半で倍以上になっています。
それでも「新しいものを1台」は変わらないと思います
ここで「じゃあ安い古いモデルにしよう」と思いたくなるのですが、今回はその手が使えません。
値上がりしたのはPi 5だけではないからです。Pi 4も、他のモデルも、同じように上がりました。原因がメモリの値段である以上、メモリを積んでいるものは全部そろって高くなります。
つまり「古いから安い」という前提そのものが、いまは崩れています。どうせ同じくらい高いなら、装備が多くて長く使えるほうを選んだほうがいいのではないか、と思います。
削るなら、世代よりメモリの量から
では予算をどう抑えるか。メモリの量を減らすのが、たぶん一番いいと思います。
これには少し根拠があります。ラズパイを作っている財団自身が、メモリを減らした新しいモデルを出しました。値上げへの対応策として、容量の少ない選択肢を用意したわけです。作っている側が「減らすならメモリ」と示したとも読めます。
8GBが予算に合わないときは、古い機種に下げるのではなく、Pi 5の4GBのほうを探してみてください。パソコン代わりに使い倒すのでなければ、4GBで足りるはずです。
私が持っているのはPi 4もPi 5も8GBで、どちらも値上がりする前に買ったものです。4GBで足りるかどうかを、自分で試したわけではありません。
上に書いたのは値段の動きと財団の対応から考えたことで、私が実際に確かめた話ではないということは、お断りしておきます。
Pi 5にも弱いところがあります
この章は電子工作の話です。ラズパイをパソコンのように使うだけなら関係ないので、読み飛ばしてもらって大丈夫です。
「新しいのを買え」と書いておいて都合の悪いことを隠すのはフェアではないので、書いておきます。
入門記事の多くが「初心者にはPi 5より4」と書くのには、ちゃんと理由があります。電子部品をつないで遊ぶなら、Pi 5には引っかかるところがあるのです。
私もサーボモーターで苦労しました
Pi 5でサーボモーター(角度を指定して動かせる小さなモーター)を動かそうとして、うまくいかず苦労した記憶があります。
最終的には動いたはずなのですが、何をして解決したのか、記録に残っていません。
ここから先は当時の記憶ではなく、いま調べ直した話になります。
ラズパイには、電子部品をつなぐためのピンが並んでいます。Pi 5では、そのピンを動かす仕組みが内部で作り直されました。その結果、それまで広く使われてきたプログラム(部品を動かすための道具のようなもの)が、そのままでは動かなくなってしまいました。
ネットで見つかるラズパイ電子工作の記事は、その大半が古いほうの書き方をしています。「Pi 5は情報が少ない」と言われるのは、これが理由です。
とはいえ、抜け道は用意されています
調べてみると、古いコードをそのまま動かせるようにする道具が、ちゃんと用意されていました。これを入れておけば、ネットで拾ってきた昔のサンプルもだいたい試せます。
ラズパイ財団がすすめている新しい書き方もあって、こちらはOSに最初から入っています。古い機種から新しい機種まで、まとめて面倒を見てくれます。
つまり「情報が古いだけで、詰むわけではない」というのが、調べた限りの実際のところです。
サーボモーターは、LEDを光らせるのとは難しさが違います。信号を送るタイミングの正確さが要るので、道具を入れ替えれば必ず解決するとも限りません。私が苦労したのも、たぶんそのあたりです。
解決したのに、何をしたか残っていない
この章で本当に書きたかったのは、実はここです。
解決したはずなのに、何をしたか覚えていません。当時のプログラムも残っていません。OSを何度か入れ直しているからです。
ラズパイは、小さなカードにOSを書き込むだけで、何度でもまっさらな状態からやり直せます。気軽にやり直せるのがいいところです。でもその気軽さが、それまでの作業の記録ごと消してしまいます。だから同じことを、また一から調べることになる。
詰まったことと、その抜け方は、ラズパイの外にメモしておいてください。紙でもスマホのメモでも構いません。数か月後の自分が、たぶん助かります。
私はこれに懲りて、いまは詰まったところをそのまま記録に残すようにしています。
モニタもキーボードも、無くても始められます
ラズパイの購入リストを書いた記事は、たいていモニタ・キーボード・マウスを必要なものとして挙げています。ここは少し考え直す余地があります。
私はふだん、ラズパイに何もつながずに使っています。モニタもキーボードもマウスも無しで、いつも使っているパソコンから、ネットワーク越しに操作しています。
この使い方だと、周辺機器の出費がまるごと要りません。数千円から1万円以上は違ってきます。ラズパイ本体が値上がりしている今、ここが浮くのは大きいと思います。
私自身、Pi 3を買ったときはこの方法がうまくいかず、結局モニタをつなぎました。なので「モニタは絶対要りません」とは言いません。
家に使えるモニタやテレビがあるなら、最初の1回だけつなげるようにしておくと安心です。新しく買う必要はない、というのがこの章で言いたいことです。
ネットワーク越しに操作するやり方は、このサイトで3回に分けて書いています。うまくいかなかったところも含めて書いてあるので、詰まったときに覗いてみてください。
電源はケチらないほうがいいです
買ったあとで一番困ったのが、実は電源でした。しかも「すすめられている電源を買ったのに足りない」という形で困りました。
すすめられた電源でも足りなくなった話
Pi 3のときです。ネットワーク越しの操作がうまくいかなくてモニタをつないだのですが、そのモニタがラズパイ本体から電気をもらうタイプでした。その結果、電気が足りなくなってしまいました。
電源は「本体が動く分」ではなく「本体+ぶら下げるもの」で考える。
公式が示している推奨の電源は、あくまで本体を動かすための目安です。ラズパイから電気をもらう機器——モニタ、外付けの記録装置、カメラ、モーターなど——をつなぐと、その分が上乗せされて足りなくなります。
やっかいなのは、電気が足りないときの症状が分かりにくいことです。起動しない、勝手に再起動する、なんとなく動きが不安定。どれも「電源のせいだ」とは思いつきにくいものばかりです。私も最初は分かりませんでした。
どうすればいいか
いちばん確実なのは、公式のACアダプターを買うことです。Pi 5用のものが2,860円ほどで、日本の安全基準(PSE)にも通っています。これから始める方は、これ一択でいいと思います。
ラズパイ用の電源は、見た目が似ていて中身が違うものが出回っています。次の3つを確かめてから買ってください。
1. 出力が「5.1V / 5A」であること。Pi 5はここが足りないと不安定になります
2. 「PSE」の表示があること。日本国内で使う電源に必要な安全基準です。海外向けとして売られているものには無い場合があります
3. 日本向けのプラグであること。「US」「EU」と書かれているものは海外向けです
迷ったら、スイッチサイエンスやKSYといった国内のお店で「Raspberry Pi 公式ACアダプター」を探すのが確実です。型番はSC1419(白)・SC1418(黒)です。
それでも足りないときは、電源を自分で持っているUSBハブを使う方法があります。周辺機器のぶんをハブ側から出してもらって、本体の負担を減らす、という考え方です。
私自身は、電源を自分で作って使っています。USB充電器から必要な電気を取り出す部品を使っていて、いまのところ不具合は出ていません。
ただこれをやったのは、当時まだ国内で公式のアダプターが手に入りにくかったからです。今は普通に買えるので、わざわざ自作する理由がありません。
配線や設定を間違えれば本体は壊れますし、コンセントに挿す側は必ず安全基準を通ったものを使う必要があります。電子工作に慣れていない方には、まったくおすすめしません。
ケースは早めに買っておくといいです
ケースは「無くても動く」ので後回しにされがちですが、選び方に落とし穴があります。
私がケースを探した理由は、壊れて困ったからではありません。基板がむき出しのまま持ち歩くことが多くて、「そのうち壊しそうだな」という不安があったからです。
ところが探してみると、どれも一長一短でした。
電子部品をつなぐピンを、塞いでしまうものが多い。電子工作をするつもりなら、これは困ります
冷やす仕組みが入っていないものが多い。Pi 5はけっこう熱くなるので、少し不安が残ります
この2つは、買う前には気づきにくいところです。ケースの紹介記事は見た目の話が中心で、ピンのことまで書いてあるものはあまり多くありません。
条件に合ったのが「Argon ONE V3 M.2」というケースでした。SSDを中に入れられて、ファンが付いていて、ピンにも手が届きます。
Argon ONE V3 M.2 NVME PCIE(Raspberry Pi 5用ケース)
私がPi 5を入れているケースです。SSDを中に入れられて、ファンが付いていて、電子部品をつなぐピンにも手が届きます。この3つを同時に満たすものが、探した中ではこれくらいしかありませんでした。値段は張りますが、カードの寿命や速さの悩みからは解放されます。
8,000〜9,000円前後(2026年8月時点)
買うときの注意:このケースには「Argon ONE V3」と「Argon ONE V3 M.2」の2種類があります。SSDを入れられるのは M.2 のほうで、無印のものには入りません。販売ページで種類が選べるようになっている場合は、「M.2」「NVME」と書かれているほうを選んでください。
ピンに手が届くか。電子工作をする予定があるなら、まずここを見てください
冷やす仕組みがあるか。ファンが付いているか、熱を逃がす作りになっているか
SSDを入れられるか。入れられるものは1万円前後になりますが、カードの寿命や速さの悩みからは解放されます
安く済ませたいなら、公式のケース(2,200円)に小さなファン(1,100円)を足す組み合わせでも十分だと思います。とりあえず何かひとつ買っておくのをおすすめします。むき出しのまま使っていると、そのうち何かを引っかけます。
それでも古いほうを選ぶ場面
ここまで新しいほうをすすめてきましたが、そうでない場合もあります。私自身、古いほうを選んだことがあります。
新しいOSが、いつも安定しているとは限らない
2023年、Zero 2 Wという小さいモデルに新しいOSを入れたとき、ネットワーク越しの画面操作が繋がらなくなりました。文字だけのやり取りはできるのに、画面だけがダメ。原因が分からず困りました。
結局、ひとつ前のOSに戻して解決しました。
この件は今では解決しています。不具合ではなく、画面まわりの仕組みが新しくなったことによる変更でした。いまは別の方法で問題なく繋がります。
ただし「新しいものに乗り換えた直後は、こういうことが起きる」というのは、変わらないと思います。
新しい機械には新しいOSが要ります。でも新しいOSが最初から安定しているとは限らない。これは頭の隅に置いておくと、慌てずに済みます。
古いものや小さいものが向いている場合
- ネットで見つけた作例を、そのまま真似したい。古い記事は古い機種を前提にしているので、同じものを買ったほうが素直に進みます
- 作るものが決まっていて、性能が要らない。温度を測って記録するだけ、といった用途なら小さいモデルで十分です
- とにかく小さくしたい、電気を食わないようにしたい。これは小さいモデルにしかできません
私がZero 2 Wを手元に残しているのも、3つ目の理由です。Pi 5と比べるものではなくて、役割が違うという感じです。
結局、何をいくらで買えばいいのか
モニタもキーボードも使わない前提で、必要なものをまとめます。値段は2026年8月時点、国内のお店での税込です。
| 品物 | 値段の目安 | 要る? |
|---|---|---|
| Raspberry Pi 5 本体(4GBか8GB) | 22,990〜36,300円 | 要ります |
| 公式のACアダプター | 2,860円 | 要ります。ここはケチらない |
| microSDカード(64GB) | 1,500〜3,000円 | 要ります(SSDにしないなら) |
| ケース | 2,200円〜 | ほぼ要ります |
| 小さなファン | 1,100円 | ケースに冷やす仕組みが無いなら |
| SSDと、それを入れられるケース | 8,000円〜 | お好みで。速さと寿命が変わります |
| モニタ・キーボード・マウス | — | 要りません |
本体(4GB) + 公式のACアダプター + microSDカード + ケース。モニタを使わずに始めるなら、これだけで動きます。
Raspberry Pi 5(メモリ4GB)
パソコン代わりに使い倒すのでなければ、まずはこちらを検討してみてください。8GBとの差が1万円以上あります。ただし人気で品切れしていることが多いので、在庫を確認してから。
22,990円前後(2026年8月時点)
Raspberry Pi 5(メモリ8GB)
私が使っているのはこちらです。ただし買ったのは値上がりする前で、いまの価格差を考えると、はじめの1台に必ずこちらを選ぶべきだとまでは言えません。ブラウザをたくさん開くような使い方をするなら、こちらが安心です。
基板単体で36,300円前後(2026年8月時点)
下のリンクは冷却ファン付きのセットです。基板だけを買うより手間が減りますが、そのぶん値段は変わります。買う前に内容と価格を確かめてください。
microSDカード(64GB)
OSを入れるためのカードです。32GBでも動きますが、64GBをおすすめします。値段の差が数百円しかないうえ、容量が足りなくなるとより大きいカードにOSを入れ直すことになるからです。下のものは国内正規品でメーカー保証が5年付いています。
1,500〜3,000円程度
もう少しこだわるなら:カードの箱や商品説明に「A1」または「A2」と書かれているものがあります。これは細かい読み書きの速さを示す表示で、ラズパイのように 小さなファイルを大量に扱う用途では、この表示があるほうが体感が軽くなります。動画向けの「100MB/s」といった数字は、大きなファイルを続けて読むときの速さなので、少し意味が違います。
2026年はメモリの値上がりで価格の動きが激しく、売り切れもよく起きています。この記事を書いた時点でも、4GBのほうは在庫切れでした。
買う前に、必ずお店で今の値段と在庫を確かめてください。
よくある質問
なお、国内で技適に対応したものを探すと、基板だけのものより、冷却ファンなどが付いたセットのほうが見つけやすいことがあります。実際に探してみると、選択肢がほとんど無いという場面もありました。セットしか見つからない場合は、中身が自分に必要なものかどうかで判断してください。冷却ファンのようにどのみち要るものが入っているなら、無駄にはなりません。
もうひとつ、海外から個人で取り寄せる場合には注意点があります。ラズパイには無線の機能が付いていて、日本国内で電波を出す機器には「技適マーク」という国の認証が要ります。国内のお店で売られているものは通っていますが、海外向けのものはその限りではありません。買うときに「技適取得済」と書かれているか、確かめておくと安心です。
まとめ
長くなったので、言いたかったことを3つにまとめます。
- 迷ったら新しいものを1台。安いものを2台ではなく。私は2台買って、2台とも使わなくなりました
- 戻れなくなるのは速さではなく「できること」。そして新しいOSは、古い機械をじわじわ重くしていきます
- 2026年は、削るなら世代よりメモリの量から。値上げは古い機種にも同じように効いているからです
そして本体以外では、電源とケースが最初に効いてきます。とくに電源は「本体+ぶら下げるもの」で考えてみてください。ここを外すと、原因の分からない不調に悩まされます。
そして、いちばん言いたかったのはこれです。
何でもいいので、まず1台。
私はArduinoのキットから始めて、説明書のとおりにセンサーをつないで遊んでいました。そこからラズパイに移って、いまも続いています。たいした理由はありません。楽しかっただけです。
あくまで私一人の経験なので、これが唯一の答えだとは思っていません。買うときの材料のひとつになればと思います。


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